同一労働同一賃金〔第2回〕

今回は、同じ企業で働く正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与、退職金、休暇などの待遇に不合理な差が生じないようにするために何をすべきかを考えます。先ずは①~⑤の手順に沿って自社の状況を点検してみましょう。

①労働者の雇用形態を確認

パートタイム労働者・有期雇用労働者を雇用していますか?正社員と違う働き方の労働者の有無を確認しましょう。

②待遇の状況を確認

パートタイム労働者・有期雇用労働者を雇用している場合、その区分ごとに、賃金や福利厚生などの待遇について正社員との違いはありますか?待遇内容の違いを確認しましょう。

③待遇に違いを設けている場合、その理由を確認

②で確認した待遇の違いは、働き方や役割など違いに相当する違いですか?(そうでない場合は「不合理」と考えられます。)なぜ待遇の違いを設けているのか、それぞれの待遇ごとに考え方を整理しましょう。

④待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理ではない」ことを説明できるように整理

事業主は、正社員との待遇差の内容や理由について、労働者から説明を求められた場合には説明することが義務付けられています。その違いが「不合理ではない」ことを説明できるように整理し、説明文書を作成しておくとよいでしょう。

⑤不合理な待遇差がある場合は、改善に向けて取り組みを行う

待遇の違いが「不合理」と認められる場合は、待遇差の改善に向けて、就業規則や賃金規定の見直し等の取り組みを行う必要があります。

事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者から、正社員との待遇の違いや、その理由などについて説明を求められた場合は、説明をしなければなりません。説明の際には、当該人と比較する正社員は誰にするのか、待遇差の理由として何を説明するのか、どのような方法で説明をするのか等に留意する必要があります。厚生労働省HPに「パート・有期労働ポータルサイト」が開設されており、さまざまな情報提供と共に、自社のチェックツール機能もありますので、ぜひご活用下さい。