「年収の壁・支援強化パッケージ」事業主の証明による被扶養者認定の詳細が明らかになりました

厚生労働省から公表された「年収の壁・支援強化パッケージ」について、具体的な取り扱いとしてQ&Aが示されました。その中で、会社が今後対応するにあたり知っておいた方がよいと思われる内容について、いくつかご紹介いたします。

Q1:今回の措置は、人手不足による労働時間の延長等による一時的な収入変動である内容を事業主が証明することによって、被扶養者認定を可能にするとのことですが、「一時的な収入変動」と認められる上限額はいくらまででしょうか。

A1:一時的な収入変動」の具体的な上限額については、仮に上限を設けた場合、その上限が新たな「年収の壁」となりかねないことや、一時的な事情によるものかどうかは収入金額のみでは判断が難しいことから、金額を示すことは困難ですが、雇用契約書等により、増収が一時的なものかどうか確認することとなります。

 

Q2:どのような事情であれば「一時的な収入変動」として認められるのでしょうか。

A2:一時的な収入増加の要因としては、主に時間外(残業)手当や臨時的に支払われる繁忙手当等が想定され、主なケースとしては、事業所の他の従業員が退職したこと等により業務量が増加した、業務の受注が好調だったことにより業務量が増加した等が想定されます。一方で、基本給が上がった場合や、恒常的な手当が新設された場合など、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合においては、一時的な収入増加とは認められません。

 

Q3:事業主の証明はいつ、どこに提出するのですか。

A3:新たに被扶養者の認定を受ける際、又は健康保険組合等の保険者が被扶養者の資格確認を行う際に、年間収入を確認することになりますが、この際に、被扶養者を雇う事業主から一時的な収入変動である旨の事業主の証明を取得し、被保険者の方が勤務している会社を通じて各保険者に対して、通常提出が求められる書類と併せて、事業主の証明を提出することになります。この「被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書」については、厚生労働省からひな型が出ておりますのでご活用下さい。

今後、会社として対応が求められることが想定されますので、「事業主の証明による被扶養者認定Q&A」を一読しておくことをおすすめします。

https://www.mhlw.go.jp/content/001163139.pdf