同一労働同一賃金〔第4回(最終)〕

同一労働同一賃金、最終回の今回は、福利厚生施設と教育訓練について確認していきましょう。

【福利厚生施設について】
考え方

企業が提供する福利厚生施設(食堂・休憩室・更衣室等)に関しては、原則として雇用形態により取り扱いに差をつけることは出来ません。

企業における対応

正社員と同一の事業所で働く短時間・有期雇用労働者には、正社員と同一の福利厚生施設の利用を認めなければなりません。企業は、全従業員に対して平等に福利厚生施設を利用させることが必要となります。

【教育訓練について】
考え方

企業は、教育訓練が現在の職務に必用な技能又は知識を習得するために実施するものである場合、職務の内容が同一である短時間・有期雇用労働者に、正社員と同一の教育訓練を実施しなければなりません。

企業における対応

教育訓練については、パートタイム・有期雇用労働法第11条にて、職務に必用な能力又は知識を習得するための教育訓練は、職務の内容が正社員と同一の短時間・有期雇用労働者に対しても実施することが義務付けられています。そこで、先ずは教育訓練の内容を洗い出し、職務に必要な能力・知識を得ることを目的として実施しているものを整理しましょう。その上で、職務内容が正社員と変わらない短時間・有期雇用労働者が対象から外れている場合には、追加する必要があります。

 

同一労働同一賃金を考える上では、先ず正社員と短時間・有期雇用労働者の「職務の内容」「人財活用の仕組み(人事異動や転勤の有無など)」等の違いを明確にする必要があります。その上で、各処遇や制度の性質・目的が、対象の短時間・有期雇用労働者にも当てはまるかどうかを考えるという事が重要です。自社の各処遇や制度それぞれの趣旨・目的を今一度確認し、不合理な待遇格差が生じないよう検証・対応していきましょう。