公正な採用選考について

5月に入り、新卒採用が始まる時期となりました。採用について厚生労働省では、就職の機会均等を確保するために、応募者の基本的人権を尊重した「公正な採用選考」を実施するよう事業主の皆様に協力を求めています。

この公正な採用選考を行う基本は、①応募者に広く門戸を開くこと、②本人のもつ適性・能力以外のことを採用基準にしないことにあります。

①は、特定の地域出身者や、難病のある方、LGBTの方等、特定の人を除外せず、求人条件に合致する全ての人が応募できるようにすることを意味します。

②は、応募者が、求人職種の職務遂行上必要な適性・能力をもっているかどうかという基準で採用選考を行うことを意味します。例えば、本籍地や家族の職業、宗教や支持政党などは、本人が職務を遂行できるかどうかには関係のないことであり、これらを採用基準にしないことが求められます。適性・能力に関係のない事項は、それを採用基準としていなくても、エントリーシートや応募用紙に記載させたり、面接時に尋ねたりすれば、その内容は結果として採否決定に影響を与えることとなり、就職差別につながるおそれがあるため、注意が必要です。特に「家族に関すること」の質問については、面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いようですが、本人の適性・能力以外の事項となるため、質問しないよう注意しましょう。

一定規模以上の事業所等においては「公正採用選考人権啓発推進員」を選任し、ハローワークや労働局が定期的に開催する研修会等を通じて、公正採用選考や人権問題等に関する正しい理解と認識を深め、採用選考を公正なものとする役割を担っていただくようお願いしています。

採用活動が活発となるこの時期、差別のない公正な採用選考の実施にむけて、今一度自社の取組みを確認し、公正な採用選考を実現しましょう。