エイジフレンドリーガイドライン(高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)が努力義務化へ ~ 令和8年4月より

近年、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者が占める割合が、全国的に増加傾向にあります。神奈川労働局管内でも同様に中高年齢者の災害が増えており、特に転倒災害は全体の約73%が50歳以上と、高年齢層に集中している状況です。

こうした背景には、深刻化する人手不足に加え、70歳までの就業機会確保の努力義務化などにより、高年齢労働者の就労が増えていることが挙げられます。企業にとって高齢者が安心して働ける環境づくりは、労働災害防止だけでなく、持続的な人材確保の観点からも避けて通れない課題となっています。

現行の労働安全衛生法では、第62条において「心身の条件に応じた適正な配置」が努力義務として定められているのみでしたが、令和8年4月1日より、高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善、作業管理などの必要な措置を講ずることが事業者の努力義務となりました。(安衛法第62条の2) これにより、エイジフレンドリーガイドラインに基づく具体的な安全衛生対策が、企業として取り組むべき事項として明確に位置づけられます。

ガイドラインでは、

  • 作業環境の改善(段差解消、照度確保、滑り防止など)
  • 作業負担の軽減(重量物の取り扱い軽減、動線の見直し)
  • 健康状態・体力に応じた作業管理
  • 転倒防止教育や危険予知活動の強化

など、多角的な対策が示されています。企業規模を問わず、今後はガイドラインに沿った取組が求められることになります。

高年齢労働者が安心して働ける職場づくりは、結果的に若い世代を含めたすべての従業員にとって安全で働きやすい環境づくりにもつながります。そのためにも、まずは職場に潜むリスクを把握し、必要な改善策を整理することが大切です。あわせて、転倒防止などの教育や安全に関する周知を進める等、計画的に取り組みを進めていきましょう。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000815416.pdf

(厚生労働省 パンフレット「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」令和7年5月版)