在職老齢年金が見直されます

在職老齢年金制度とは、年金を受給しながら働く高齢者について、一定額以上の報酬のある方は年金制度を支える側に回っていただくという考え方に基づき、金額に応じて年金を一部支給停止する仕組みです。

現在の制度では、賃金(ボーナス含む年収の12分の1)と老齢厚生年金(月額)の合計が基準額を超えると、超えた分の半額の老齢厚生年金が支給停止となります。

この基準額は、現在月51万円(2025年度価格)となっていますが、これが2026年4月から月62万円に引き上げられる見込みです。

この見直しは、平均寿命・健康寿命が延び、働き続けることを希望する高齢者が増える一方で、厚生年金を受け取る年齢になったときの働き方として「年金額が減らないよう時間を調整し会社等で働きたい」という人が多くいるという調査結果に基づき、年金制度改正法案に盛り込まれたものです。

「高齢者の活躍を後押し」「働きたい人がより働きやすい仕組みとする」という観点から、老齢厚生年金が支給停止となる基準額を月62万円へ引き上げることで、年金の減額を意識せず、働きたい人がより多く働けるようになることが期待されています。

 

在職老齢年金制度の見直しは、企業における人手不足の対応や、高齢者雇用の方針に影響を及ぼす重要な改正となりますので、改正内容を正しく把握し対応を検討しましょう。