カスタマーハラスメント、対策していますか?

「カスタマーハラスメント」とは、企業やサービス提供者に対して、顧客が社会通念上相当な範囲を超えて、不適切または過度に攻撃的または不当な要求等を行い、従業員に精神的・身体的な苦痛を与え、職場環境を悪化させる行為全般を指します。

令和元年6月の労働施策総合推進法等の改正により、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。これを踏まえた指針により、カスタマーハラスメントに関して、事業主は相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが望ましい旨が定められています。

厚生労働省では、ハラスメント対策の総合情報サイトである「あかるい職場応援団」にて、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルや、周知・啓発ポスターを作成し、企業の対策を促していますが、先月より新たに、業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアルに『スーパーマーケット業編』が追加されました。マニュアルには、スーパーマーケット業界におけるカスタマーハラスメントの実態調査や業界企業へのヒアリングを踏まえ、カスタマーハラスメントに対する業界団体等の傘下の企業の共通の方針や、企業が取り組むべき対策が具体的に記載されています。また、店舗等に掲示する周知用ポスターの他、マニュアルの内容及びカスタマーハラスメントに対応するための取組方法等を解説した研修動画も視聴することができます。

カスタマーハラスメント対策を怠ると、従業員の精神的・身体的負担による労働意欲の低下や、企業イメージや信頼の失墜など、企業はさまざまなリスクに直面する可能性があります。

これらのリスクを回避し、従業員が安心して働ける環境を整備するためにも、カスタマーハラスメント対策に積極的に取り組む必要があります。厚生労働省のツール等を活用し、対策を進めていきましょう。